Maker Space SCULABの3Dプリンターによるモノづくり教室とは

すからぼでは「次世代を生き抜く小学校の為のSTEAM教育プログラムの開発」として3DCGモデリングソフトと3Dプリンターを活用したものづくり教室のカリキュラムを作成しています。今回は私たちが考えるSTEAM教育としてのモノづくり教室の方針を纏めていきたいと思います。

STEAM教育とは

STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(藝術)、Mathmetcis(数学)の英単語の頭文字を取った造語であり、アートの感覚やデザインの原則を用いたり、想像力に富み、創造的な手法を活用したりすることによる問題解決を行う教育手法となります。

2018年6月に文部科学省と経済産業省が今後の教育方針について報告書・提言書を公開しており、STEAM教育の必要性について記載されています。AI(人工知能)やIoTが(モノのインターネット)発達する21世紀は、単に現在の延長線ではなく、与えられた仕事をこなすだけでなく、異分野をつなげる力や新たな物事にチャレンジする能力が必要となるとされており、「自ら学び、考え、行動する」習慣を身に付ける必要があるとされています。

巷で人気のプログラミング教室はARTを抜いたSTEM教育と呼ばれる教育手法の一つと考えられており、主にプログラミング的思考方法の論理的思考力を養うことを目的としています。

すからぼの3DCGモデリングソフトと3Dプリンターを活用したものづくりでは、特にART分野に特化することで、アート思考やデザイン思考による想像力と創造力を養うことが出来るSTEAM教育のカリキュラムの作成を目指しています。

芸術に特化したモノづくり教室

すからぼでは、デジタル彫刻で業界標準であり、アカデミー科学技術賞を受賞している3DCGモデリングソフト「Zbrush」の簡易版「Zbrush Core」により、粘土をこねるような直感的な操作でデジタル造形を行っていきます。

3Dプリンターによるものづくり教室は「Fusion360」といった3DCADを用いて具体的な数値を設定して図面を引いて2Dを3Dに変換するのに対して、「Zbrush Core」では粘土を足す、引っ張り、へこますといった造形的な動作が可能となっており、より芸術的に、よりアート思考的にモノづくり製作に取り掛かることが出来ます。

すからぼのモノづくり教室は3コース

「何をどうしたらよいのか分からない」といった子でも楽しんでものづくりに取り組むことが出来るように3つのコースを用意しています。

①体験コース

「モノづくりって楽しい!」と感じてもらえるような成功体験を提供するコースです。簡単な3DCGモデリングソフトの操作で実際に3Dプリンターを使ってオリジナル製品を作ってみて、小さな成功体験を得ることで、ものづくりって楽しいんだ!と覚えることが出来る機会を提供します。

この段階では、モノづくりの大変さやトライアンドエラーなどは行わず、モノづくりへの興味や関心を造成していきます。

②基本コース

すからぼのオリジナルカリキュラムと教材を用いて、モノづくりを行い、基本的な3DCGモデリングソフトの操作ならびに造形のスキルを習得していきます。様々なモノづくりの製作体験を通じ、スキルが向上することにより、より難易度の高い造形への挑戦意欲が湧いてきます。

この段階から、トライアンドエラーを行うようになり、モノづくりの大変さを知るようになります。クリエイターとしての自覚が芽生え始めるころです。

③応用コース

基本コースで培った基本的なスキルを元に自らがテーマを設定し能動的にモノづくりを行っていきます。トライアンドエラーを繰り返し、自らが考える理想像を追求し、完成した作品を積極的に他人に伝える機会を提供します。

この段階から、クリエイターとして身の回りにあるものに対する興味や見方が変わるようになり、自らが積極的に世界を知ろうとするようになります。

最終的には3DCGやガレージキットを作製する

最終的に対象となるモノづくりは3DCGや3DCGアニメーションまたはガレージキットやフィギュアとなります。また、完成した作品は世界最大級のガレージキットイベント「ワンダーフェスティバル」へ出展する事も可能です。

講師は高校から大学まで専門的に美術を学んでいるのは当然のこと、様々な実績を積んでいるため、的確な指示のもと、受講者の自由な発想を妨げることなく、やりたいこと・つくりたいことの実現が可能となります

最後に

欧米諸国やアジア新興国では、21世紀型教育としてSTEM教育に多額の予算を投入して、国家的な戦略が進められています。また、アップルの成功に影響を受け、使う人の感情に働きかける力も現実的な価値の一部だという考え方にシフトするとともに、STEM教育にも芸術の観点を考慮すべきということでSTEAM教育が提唱されました。従って、海外では、従来のSTEM教育に代わりSTEAM教育の導入が進められており、図工/美術の時間が見直されています。

海外において、21世紀型教育が確実に進んでいるのに対して、日本は大きく後れを取っているのが現状です。日本は2020年度に小中学校のプログラミング授業を必修化することを定めましたが、一方で基礎学力向上の機運の高まりから、図工・美術の時間は激減しています。プログラミング授業がSTEM教育の一助となるのは期待されますが、一方で図工/美術の時間が激減していることで、創造性を養う機会が不足することは明らかです。

STEAM教育に関して各先進国の3Dプリンターの教育への導入事例を記載します。特に欧米及びアジア新興国では、STEAM教育のコンテンツとして、3Dプリンターが期待されていますが、その分野において、日本は世界的にみると大きく後れを取っているのが現状です。

多くのアナリストや研究所において、21世紀には現在の職業の多くが人工知能(AI)に代替されると推測されています。人工知能(AI)が発達する世の中で活躍する為には、人工知能(AI)が苦手とする分野、すなわち使う人の感情に働きかけるための独創性や創造性を活かした仕事を行うことです。

既に3Dプリンターやドローン、もしくはその他IOT関連は中国や欧米のスタートアップ企業が中心で開発が進められています。日本でも「使う人の感情に働きかけるための独創性や創造性を活かした仕事を行う人材(=未来のイノベーター)」の育成は急務の課題となります。

すからぼではアート思考とデザイン思考による3Dものづくり教室をSTEAM教育の一種として考え、魅力的なカリキュラムを作成することにより、生徒たち自らが学び、考え、行動することで、積極的に世界を知ってもらえる環境づくりを行っていきます。

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